南予医学雑誌 第15巻
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南予医誌 Vol.15 No. 1 2014-70-に効果的な栄養食事指導の介入ができた。食生活の乱れが糖尿病の主な誘因であり,食事療法の必要性を患者自身が理解できるように指導を行った。栄養食事指導時には,患者の考えを尊重し,譲歩した案と選択肢を提示することで指導毎の達成度を上げることが可能となった。同時に,信頼関係の強化と行動変容に繋がったと考えられた。 当院で著者らが調査した糖尿病患者の食習慣は,HbA1c 8.0 %以上の患者では8.0 %未満の患者より野菜摂取量が少なく,脂肪エネルギー比率が高い傾向にあった1)。本症例の初回指導時も同様の傾向にあり,栄養食事指導の介入により適正値へ是正されつつある。男性単身生活者は料理に不慣れなため食事内容が単調で,外食や中食中心(図3)HbA1cの推移(表3)「患者にとって譲れない条件」とその対応策

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