南予医学雑誌 第15巻
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南予医誌 Vol.15 No. 1 2014-65-  栄養食事指導が効果的であった糖尿病腎症を合併した独居男性の一例 杉 本 み き1),山 崎   幸1),清 水 さゆり1), 薬師寺   桂1),赤 松 貴 代1),大 杉 弘 子1), 岡 崎 真由美1),藤 井 文 子1),江 口   透2), 宮 内 省 蔵2) 1)市立宇和島病院 食養科 2)市立宇和島病院 内科受稿日 平成26年5月26日受理日 平成26年7月25日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 食養科 杉本 みき要   旨 症例は56歳,男性。頻尿を主訴に当院を受診し,ネフローゼ症候群,2型糖尿病の診断であった。その後,全身浮腫が増悪し,糖尿病腎症の診断で入院となった。入院時,高血糖・増殖前網膜症・糖尿病腎症・高血圧・脂質異常症・心機能低下を認めた。入院中の食事療法はエネルギー1800 kcal(30.6 kcal/IBWkg),たんぱく質40 g(0.7 g/IBWkg),食塩6 g未満とし,入院中及び退院後と合計4回の栄養食事指導を行った。無職・独居・中食中心の食生活であり,退院後の継続した食事療法が困難であると考えられた。生活環境を考慮し,継続可能な改善策を立て,薬物治療と同時に効果的な栄養食事指導を行うことができた。 (南予医誌 2014; 15: 65-72.)Key Words:糖尿病,慢性腎不全,中食,たんぱく質制限食,塩分制限食   症例報告

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