南予医学雑誌 第15巻
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南予医誌 Vol.15 No. 1 2014-58-  放射線治療により腫瘍崩壊症候群を生じた再発マントル細胞リンパ腫の1例 井 上 典 仁1),丸 田 雅 樹1),鹿 田 久 治1), 金 子 政 彦1),井 上 祐 馬2),岩 村 卓 明2), 竹 口   崇2),福 井   聡2) 1)市立宇和島病院 血液内科 2)市立宇和島病院 放射線科受稿日 平成26年5月13日受理日 平成26年7月25日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 血液内科 金子 政彦要   旨 症例は78歳女性。再発マントル細胞リンパ腫に対し化学療法を行っていたが治療不応であり,局所コントロール目的で放射線療法を施行した。放射線療法開始翌日4Gy照射後に,せん妄,不穏行動,喘鳴,呼吸困難,腎機能障害などを認め腫瘍崩壊症候群(Tumor lysis syndrome: TLS)が生じたと判断した。利尿薬と補液でTLSから回復した。後日,補液,利尿薬,ラスブリカーゼの予防投与を行い放射線療法を再施行したところ,TLSは生じなかった。 化学療法のみでなく,放射線療法においてもTLSを生じるリスクを評価することが重要と考えられた。 (南予医誌 2014; 15: 58-64.)Key Words:腫瘍崩壊症候群,放射線療法,マントル細胞リンパ腫   症例報告

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