南予医学雑誌 第15巻
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川口、他:一次救命処置講習会の受講記録分析南予医誌 Vol.15 No. 1 2014-45-(図2) 職種ごとの受講率(図3) 2010年以降(に受講した職員の比率(職種別)職種ごとの受講率受講率* 82.3%72.7%53.0%66.7%全体で73.3%*看護師の二次救命処置講習(8時間講習)の受講率は20.7%平成22年以降の受講率受講率82.3%72.7%53.0%66.7%全体で32.9%H22年以降に受講H21年以前に受講率34.1%27.3%30.3%44.4%新ガイドライン師のみを取り上げると,総数164人のうち135人(82.3%)が一次救命処置講習会を,34人(20.7%)が二次救命処置講習会を受講していた。看護師以外の医療職は44人中32人(72.7%),看護助手およびクラークは33人中14人(42.3%),事務職は18人中12人(66.7%)が一次救命処置講習会を受講していた(図2)。 なお,現行の心肺蘇生法ガイドラインでの講習を受講済みの職員(2010年以降の受講者とインストラクター)は看護師56人(34.1%),他の医療職12人(27.3%),助手・クラーク20人(30.3%),事務職8人(44.4%)を占めた(図3)。 一方,当院開催の講習会を受講した当院全職員(医師を除く)276人のうち,2013年3月1日の段階で勤務中であった者は209人で,受講後の当院への定着率は75.7%であった(出産・育児休暇,療養休暇などの職員も離職・転勤と同じ集計とした)。職種別には看護師170人中130人(76.5%),他の医療職39人中32人(82.1%),看護助手・クラーク42人中35人(83.3%),事務職25人中12人(48.0%)が上記の時点で勤務中であった(図4)。考   察 院内発生の心停止患者でも,蘇生に成功し社会復帰できるのは20%足らずと言われている。院内患者の一部は疾患の種類・重症度や急変の可能性に応じて,モニタリングが行われている。しかし,モニターされていない患者も多く,その場合,状態悪化の認知の遅れ,不適切な対応などの問題が生じることがある。 一方で,院内心停止の多くは「突然かつ予期しえない事象」ではなく,60~80%の例で心停止の数時間前に臨床症状が悪化しているという。心停止を予防し,早期認識・通報,一次および二次救命処置,心拍(図4) 受講者の定着率(職種別)受講者の定着率定着率76.5%82.1%83.3%48.0%全体で75.7%

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