南予医学雑誌 第15巻
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南予医誌 Vol.15 No. 1 2014-44-などを示した表を添付し,所属長に対し未受講者への受講を奨めるよう依頼した。 1回の講習会につき,1班6人×6班の合計36人を受講者数の上限とし,各班に指導者として日本救急医学会の二次救命処置講習インストラクター資格を有する医師,看護師や救急救命士などを1~2名ずつ配置した。受講者には事前に日本蘇生協議会監修の一次救命処置キット5)を配布し,添付されているDVDとテキストで事前学習をするように促した。 講習プログラムは,10分間の休憩を2回はさむ3部の構成とした。第1部「一次救命処置の基礎」では全員同時に,事前配布したキットを使用して,急変時の意識・呼吸・脈の確認,胸骨圧迫(圧迫の速さ・深さ・位置・リコイル・中断時間など),安全なAEDの使用方法などを指導した。第2部「一次救命処置の詳細」では,気道確保や各種換気方法,背板挿入,胸骨圧迫交代などの目的と要領を,デモンストレーションを交えながら指導した。第3部「一次救命処置のシミュレーション」では,患者の状況を設定し,受講者の役割を交代しながら,チーム蘇生を体験した。また,AED使用時の特殊な状況(ペースメーカー植込み患者や身体が濡れている場合など)を加えたシミュレーション訓練を実施した。 2008年3月から2013年8月までの過去10回の講習会の記録から,受講者の院内外の別,職種や受講率を調べた。特に,2010年以降の受講者を現行の心肺蘇生法ガイドラインに基づく講習会受講として,別に集計した。また,2013年3月1日時点の,当院の常勤・非常勤職員(医師,委託職員を除く)292人において,一次または二次救命処置を受講済みの職員の比率を,職種ごとに調べた。院外での受講に関しては,AEDの使用を含む3時間以上の講習を対象として受講と判定した。結   果 10回の一次救命処置講習会の受講者総数は327人で,その内訳は当院職員が293人(89.6%),院外からの受講者は34人(10.4%)を占めた。院外受講者のうち地元消防本部の救急隊員が4人(全体の1.2%)含まれ,残りの30人(同9.2%)は地域の医療・保健関係施設の職員であった。院内受講者293人の職種は看護師が170人(58.0%),次いで看護師以外の医療職(理学療法士,放射線技師,栄養士,薬剤師,検査技師,医療工学士など)が39人(13.3%),看護助手・クラークが25人(14.3%),事務職25人(8.5%),医師17人(5.8%)の順であった(図1)。 2013年3月1日の時点において,当院の常勤・非常勤職員(医師,委託職員を除く)は合計292人であった。このうち,一次または二次救命処置講習会を受講済みの職員は,214人(73.3%)を占めた。看護(図1) 院内受講者の職種医師17人(5.8%)看護師170人(58.0%)他の医療職39人(13.3%)看護助手・クラーク42人(14.3%)事務25人(8.5%)

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