南予医学雑誌 第15巻
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南予医誌 Vol.15 No. 1 2014-33-市立宇和島病院産婦人科における低侵襲手術の現状— 全腹腔鏡下子宮全摘術 — 清 村 正 樹1),中 橋 徳 文1),岩 本 麻 里1), 兵 頭 慎 治2) 1) 市立宇和島病院 産婦人科 2)ハートレディースクリニック受稿日 平成26年7月11日受理日 平成26年8月1日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 産婦人科 清村 正樹要   旨 内視鏡下手術は婦人科領域でも飛躍的に普及し, 当科においても手術件数は年々増加している。2012年11月からは全腹腔鏡下子宮全摘術を導入し, 標準術式にすべく努力している。これまでに20例の全腹腔鏡下子宮全摘術を施行した。腹式単純子宮全摘術に比べ, 適応の制約や手術時間の延長がみられるが, 出血量は増加せず, 重大な合併症の発生はなかった。本術式に多いとされる尿管損傷や膣断端離開の発生はなかった。内視鏡下手術は, 手術侵襲, 術後合併症, 美容上, いずれも開腹術に比べ優れるが, 全腹腔鏡下子宮全摘術は, 基本的な腹腔鏡下手術手技や正確な解剖学的知識がとくに必要で,適応拡大には術者の技術向上が重要であると思われる。 (南予医誌 2014; 15: 33-41.)Key Words:全腹腔鏡下子宮全摘術   原   著

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