南予医学雑誌 第15巻
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南予医誌 Vol.15 No. 1 2014-27-高齢者慢性心疾患患者に服薬理解能力評価スケールを用いた服薬管理の実際 松 平 真 弓,山 下 花 代 市立宇和島病院 看護部 7階東病棟受稿日 平成26年5月19日受理日 平成26年8月1日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 看護部 松平 真弓Ⅰ.はじめに 循環器疾患の治療には薬物治療が不可欠であり,確実に内服薬を服用することが重要である。特に慢性心疾患患者の場合,複数の内服薬が処方され,病状によって中止,変更増減することが多い。また,看護師管理から自己管理への移行の判断が曖昧で,入院中は看護師が1回配薬し,退院日当日に初めて薬剤師から短時間で服薬指導を受けているという状況である。 慢性心疾患患者は,高齢者の割合が高く,要   旨 循環器疾患の治療には薬物治療が不可欠であり,確実に内服薬を服用することが重要である。特に慢性心疾患患者の場合,複数の内服薬が処方され,病状によって中止,変更増減することが多い。また,高齢者の割合が高く,独居や高齢世帯の患者も多いため退院後きちんと服薬出来ず,飲み忘れや自己中断しているケースもある。そこで,65歳以上の慢性心疾患患者に対して,服薬管理能力を判定し,服薬理解能力評価スケール(RCS)を用いて患者の状態に合った服薬方法を選択し,服薬自己管理に向けた介入を行った。その結果,RCS9点以上の患者は服薬確認をすることで確実に内服出来るという当病棟の指標を得ることが出来た。 (南予医誌 2014;15:27-32.)Key Words:内服自己管理,RCS,高齢者   原   著

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