南予医学雑誌 第15巻
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南予医誌 Vol.15 No. 1 2014-17-  線量計算システムSESD-10を用いた胸部単純X線撮影の撮影条件の検討 兵 頭 悠 子,外 山   宏,薬師神 佳 代 市立宇和島病院 放射線科受稿日 平成26年5月19日受理日 平成26年7月31日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 放射線科 兵頭 悠子はじめに 当施設では島津製作所製のX線管高電圧発生装置UD150B-40を使用しており,2013年8月に設定条件の校正を行った。この装置に付加されている自動線量計算システムSESD-10(以下,SESD-10)は,X線管球部に取り付けられている超音波距離計で焦点-皮膚間距離(Source to Skin Dis-tance : SSD)を測定し,撮影条件とSSDをもとに患者皮膚表面の入射皮膚吸収線量(Entrance Skin Dose : ESD)の推定値を自動的に算出することができる。この機能により,撮影前に得られた数値を参考にして要   旨 2013年8月にX線管高電圧発生装置の校正を行った。校正後,装置に付加されている自動線量計算システムSESD-10を用いて,院内健診における胸部単純X線撮影の入射皮膚吸収線量(ESD)を計算した。その結果,男性が0.348[mGy],女性が0.360[mGy]となり,いずれも日本放射線技師会の掲げる医療被ばく低減目標値0.3[mGy]より高くなった。そこで,現在の撮影条件から画像の濃度レベルを3段階下げて撮影を行うと,十分なS値を維持したままで ESDの平均は0.241[mGy]となり,被ばく低減目標値をクリアできた。 (南予医誌 2014;15:17-26.)Key Words:ESD,S値,管電圧,Density   原   著

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