南予医学雑誌 第15巻
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岡田、他:術前経口補水療法南予医誌 Vol.15 No. 1 2014-13- 全量飲水できた割合で経口補水液の飲用率(コンプライアンス)をみると,OS-1よりArginaid waterの方が高率であった(図3)。また経口補水液の有害事象の報告はなかった。3:術前経口補水療法の臨床的効果 前期では術後2日間の絶食となり,3日目より流動食から開始し準軟菜,全軟菜と食上げを行った。後期では術後2日目で経口補水液を開始,3日目より準軟菜1/2を開始し全軟菜,軟菜と食上げを行った(表1)。術前経口補水液を導入することで術当日朝と術後2日目の食事料金加算が可能となった。 2011年の結腸・直腸癌手術患者で人工肛門管理のない待機手術症例83例で検討したが,手術部位感染(SSI)の存在は在院日数や療養費に大きく関与してくる。SSIは前期6例,後期3例で認められた。(表1) 術後食表1、術後食前期後期012345菜軟菜軟全2/1菜軟準*******準軟菜1/2全軟菜軟菜**準軟菜1/2全軟菜軟菜012345流動食準軟菜全軟菜流動食準軟菜全軟菜流動食準軟菜全軟菜***経口補水液3本(Arginaidwater+OS-1)**経口補水液2本(Arginaidwater)図3、経口補水液の飲用率0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% OS-1 Arginaid 79% 89% 79% 95% AM PM (図3) 経口補水液の飲用率

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