南予医学雑誌 第15巻
124/132

南予医誌 Vol.15 No. 1 2014-122-告書はさらに地域で各病院がプライマリケアから高度医療のどの分野を担当するかを選択し,医療機能の分化・連携を進め,従来の病院完結医療から地域完結医療に移行するよう提言された。そのため大幅な法改正を行い,2014年6月25日に19本の個別法からなる一括法「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」いわゆる「医療・介護総合推進法」が成立し,医療と介護の連携が求められている。それに伴い,医療機能報告制度が導入され,各病院は高度急性期,急性期,回復期,慢性期の4つの医療機能から自主的に1つを選択すると共に,地域における医療供給体制を効率的かつ効果的にするためとして都道府県に病院単位ではなく,病棟単位で病床利用状況の報告が義務づけられた。今後地域医療構想の策定のため医療関係者と医療保険者等で協議して,2015年10月までに地域医療ビションを都道府県ごとに作成することになる。これから愛媛県の医療・介護体制は医療機関,医師会,行政,支払い機関等で協議されることになる。当然宇和島病院は南予救命救急センター併設病院として急性期医療を担当し、慢性期,回復期医療は吉田病院・津島病院を含め他の医療機関,医師会と連携して行う体制が構築されることになる。 今回の改定は,地域医療の権限を各都道府県知事に委ねるような医療法の改正となった。この結果,決められたビションに沿わない場合に特定機能病院,地域支援病院の承認や融資対象病院になる場合に影響が出ることが考えられる。また,今回の医療制度改革を実現するため医療法第6条の2に第3項が追加され,「国民は,良質かつ適切な医療の効率的な提供に資するよう,医療提供施設相互間の機能の分担及び業務の連携の重要性についての理解を深め,医療提供施設の機能に応じ,医療に関する選択を適切に行い,医療を適切に受けるよう努めなければならない」と国民にも適切な医療機関を選ぶよう求めている。自治体病院の変化 近年,全国の自治体病院は経営に苦慮し,経営形態を変更したり廃院した病院も多い。自治体病院数をみると,1950年代よりしばらく大きな変動なく1000前後を推移していた(2006年で1047)が,ここ数年で急速に減少し2013年3月現在948になっている。近年,病院存続のため,経営形態を地方公営企業法の一部適用から全部適用に変更する傾向が見られ,2014年4月1日現在363(42.9%・病床数では53.2%)に増加している。宇和島市は2005年の合併後3つの市立病院を運営することになった。合併後の新市医療体制協議会では経営コンサルタントのアドバイスもあり,当初病院は非公務員型の独立行政法人移行の方針であった。しかし,現実問題として宇和島病院と他の2病院の合併前からの経営状態があまりにも違うこと,また現在公務員である職員の身分や給与体系の急な変更は困難であること等から,2010年4月からこれまでの地方公営企業法一部部適用から全部適用に移行し病院事業管理者が任命された。この結果,病院事業管理者の判断で決定できる事項が増え,迅速で効率的な対応が可能となった。しかし,制度の変更で病院運営状況が変わるわけではなく,変えることが出来るかどうかは一人一人の職員が企業人としての意識改革が出

元のページ  ../index.html#124

このブックを見る