南予医学雑誌 第15巻
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南予医誌 Vol.15 No. 1 2014-10-受稿日 平成26年2月6日受理日 平成26年7月2日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 外科 岡田 憲三要   旨 周術期治療の最大の目標は回復力増強にあり,そのためには術前からの栄養管理が重要である。近年では、従来の長時間絶飲食の見直しと手術2時間前までの術前経口補水の重要性が強調されている。今回我々は炭水化物含有飲料水(Arginaid water)に脱水症状の治療に用いられるOral Rehydration Solution (OS-1)を加えた,当院独自の術前経口補水療法について検討した。経口補水液のコンプライアンスは良好で,患者アンケートの結果からも好評価であった。術前経口補水療法の臨床的効果を結腸・直腸癌手術患者で検討した結果,術前経口補水療法を導入し,平均在院日数は有意ではないが短縮していた。また1日あたりの食事療養費は有意に増加しており,有用と考えられた。 (南予医誌 2014; 15: 10-16.)Key Words:ERAS、術前経口補水療法、ORS  当院における術前経口補水療法について 岡 田 憲 三1),上 野 義 智1),江 口   透2), 藤 井 文 子3),山 崎   幸3),山 本 美 穂3), 岡 崎 真由美3),赤 松 貴 代3),杉 本 み き3), 大 杉 弘 子3),薬師寺   桂3),清 家   仁4), 西 本 幸 恵5),黒 田 恭 子6),引 野 敦 子7), 松 田 裕 子7) 市立宇和島病院 NST 1)外科,2)内科,3)食養科,4)薬局, 5)臨床検査科,6)看護部,7)リハビリテーション科   原   著

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