南予医学雑誌 第15巻
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岩村:なんよだより南予医誌 Vol.15 No. 1 2014-115-数の不足による負荷の増加という,負のスパイラルに陥った病院は存続の危機にたたされております。医師は常に自身のキャリアパスを描ける環境を求めており,地方病院では認定資格が取れないため,まず自ら進んで赴任することはありません。更にこれまで頼みの綱であった医局からの派遣につきましても,同じ理由から無理強いが出来ず,全てを大学にお願いすることも大学医局の負担が多すぎます。 今後地方の臨床研修病院においては,大学医局へは常にお願いを続け,加えて初期研修医は広く募集をかける必要があると思います。当院での単純計算上,定員の50%が後期研修に残っていただいても毎年3人の医師が当院で誕生する計算になります。また,後期研修先及び医局からの派遣として赴任してもキャリアが積めるよう,取得できる認定施設は全て取得しておく必要があると思います。 平成27年度のマッチングから地域枠制度を利用した学生が初期研修医として誕生し,大学での2年の初期研修を終えて7年間,各地方病院での勤務を義務づけられております。ただし,前述の通り若い医師はキャリアパスを描けない病院は敬遠することが考えられるため,研修病院として医師を育てる環境は常に進化し続ける必要があると思います。■最後に 臨床研修係の創設からこれまでの経緯を長々と書き連ねましたが,平成25年度末をもちまして,私は臨床研修係長の役を解かれ,総務係に異動となりました。昨年度濱田さんの後任として勤務いただいた橋本さんには,私の異動も視野に入れ1年かけて研修医との信頼関係を作ってもらえるよう接点を増やしてきましたが,その人柄の良さにより予想の半分の半年で研修医は私ではなく,橋本さんを訪ねてくるようになりました。やはり子どもは母親に惹かれるのでしょうか。嬉しさ半分,ジェラシー半分の気持ちでいましたが,しっかり研修医との信頼関係は培っていただいたと思います。平成26年度から2代目臨床研修係長になった薬師神さんを支え,常に研修医の味方でいてくれると信じております。 臨床研修係長拝命からこれまで,「念ずれば叶う」とばかりに,私の望む姿が奇跡的に実現できたことに満足できた4年間でした。この結果は,梶原院長が全面的に濱田御大,金子先生に全て任せていただいたことと,任されたお二人が情熱を持ってこの業務にあたり,私達事務局を先導してくれたからこそ出来上がった環境であり,医師が持つ力の奥深さを日々感じさせていただきました。梶原院長におかれては,日々研修医の状況を気にしていただき,説明会等で気さくに学生に話しかけてくれることで当院の雰囲気を全面的にアピールしていただいたと思います。また日々の業務の中で御大,金子先生ともに私達事務局を信頼していただき,かつ研修医に甘くなりがちな私に対して医師の教育として,駄目なことは駄目としっかり諭していただきました。お三方から感情的に叱りつけられたことは,4年間のうち1度もありませんでした。 また梅崎さん,濱田さん,橋本さんが臨床研修の業務に愛着を持っていただき,「臨床研修最高!!」との思いで常に研修医にとって何が一番かを考えていただきながら日々業務に邁進いただいたので,忙しい中でも私は心が折れることなく前向きに仕事

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