南予医学雑誌 第15巻
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岩村:なんよだより南予医誌 Vol.15 No. 1 2014-113-なりました。■新たな研修のスタート 上記の通り設立年度は充実した1年でした。臨床研修の仕事は喜びの多い職種であることも実感でき,モチベーションの高いまま満を持して新年度プログラムをスタートさせました。 新年度になり新たに始めたものとして,「研修医ミーティング」があります。私が兼務である中,どうしても研修医につきっきりになれないので,せめて月1回は本音で語れる場を作りたいとの考えから始めたものでした。スタート当初は金子先生も同席いただきましたが,1回目の後,金子先生から「どうも俺がおったら本音がでんぞ」との意見をいただき,2回目から事務方と研修医のみで行い,言いたいことを遠慮無く言ってもらえる環境にしました。 事務局と研修医のみで行ったミーティングにおいて,一番始めに研修医から出た率直な意見は「きついです。」の一言でした。社会人として,医師としても覚えるべき事項が多い中,救急対応に加え座学での勉強となればスタート時の負荷はかなりのものだったと思います(指導医の先生方から見れば,「甘い!」と一喝されるかもしれませんが…)。研修開始から半年間,毎回ミーティングは2時間~3時間にまで及びました。特に議題は設けず,研修医の現状を聞き,改善したい点やプログラムについてどうあるべきかを毎回真剣に語り合いました。ミーティングを通して新たにわかったことは,初期研修医は2年という短い時間でオールラウンドな医学の知識を身につけ,かつ今後の長い医師人生の選択を迫られると言うことです。自分にとって,どんな診療科が合っているのか,1年目から決め打ちで就職される先生もおられれば,2年間で見つけようとする先生もおられます。 その中で共通して言えることは,特に初期研修の段階では1分,1秒でも無駄にしたくないという強い気持ちを持っていると言うことです。特に研修開始時において,他の研修医がどれだけ患者を診たかが気になりますし,自分が思うように研鑽を積めないことに焦り,悩み,自分を責めます。私としては,医療の分野だからとあきらめずに,ひたすら気持ちを聞き出しました。その後濱田さんに時折出る専門用語を教えてもらいながら一度腹入れし,ミーティングで出された研修医の希望について,濱田御大,金子先生,上位組織であるプログラム委員会に訴えてきました。全て叶う訳はなく,むしろ一喝され却下になるものが多いので,研修医としても「何のためのミーティングですか。」という気持ちに幾度もさせたと思います。しかしながら出来ない理由をしっかり自分達の言葉で説明することで,研修医との距離を縮めていったことは間違いないと思います。 新たに始めた事業のもう一つが,臨床研修病院説明会です。前年度医学生から指摘された「アピールが足りない」点を払拭するため,徳島赤十字病院の事例を参考に実施することにしました。1年次研修医と協議の上,実施にあたって3点決めました。1 .距離を縮めるためにもアルコールは必須。全員が飲むこと。2 .大学の近くで実施すること。6年生は春先からの1年間は常に忙しいので,松山市内も含め遠方では学生は参加しない。3 .学生には当院の良い点も悪い点もあり

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