南予医学雑誌 第15巻
107/132

勝間:なんよだより南予医誌 Vol.15 No. 1 2014-105-設でスタートし,平成26年にはジェイコー宇和島病院,市立八幡浜総合病院の2病院が新たに加わりました。本研究会は,代表世話人1名,世話人若干名,監事1名にて組織・運営されています。 講演会では,第1回目(平成19年)は,東北大学大学院の賀来満夫先生,九段坂病院の大滝倫子先生,山口大学医学部付属病院の尾家重治先生,愛知県医科大学大学院研究科の三鴨廣繁先生,財団法人住友病院の林三千雄先生,愛媛総合保健協会附属診療所長の西村一孝先生にご来宇いただき,院内感染対策の最新の話題を交えた講演をしていただきました。その後も毎回,特別講演を継続しています。 一般演題では,自施設で取り組んでいる内容や研究成果を持ち寄って発表を行っています。発表・質疑応答により互いの施設が影響を受け,感染対策の一助になればと考えています。 しかし,過去6回の参加者数を調査したところ,徐々に減少していることが分かりました。従来会場では駐車スペースの問題があったため,第7回(平成25年)から,444台の駐車スペースを有する市立宇和島病院へ会場を移しました。また,各医療機関の感染管理認定看護師の広報活動や,介護福祉施設への広報活動を行い,多くの方が院内感染対策に興味を持っていただけるように努めています。2)院内感染対策地域連携合同カンファレンス 平成24年4月の診療報酬改定で院内感染対策に関する取り組みを推進すべく,感染防止対策加算1(入院初日,400点)と加算2(入院初日,100点)が新設されました。当院は感染防止対策加算1を取得しましたが,その施設基準を満たすため,前述の6病院で院内感染対策地域連携合同カンフアレンスを年4回主催しています。カンフアレンスでは,医師,看護師,薬剤師,臨床検査技師が参加して,薬剤耐性菌の検出状況,呼扱器・尿路・膿・血液の培養と感受性の傾向,手指衛生の現状,抗菌薬の使用状況等の報告と意見交換を行っています。 この2年間に開催されたカンファレンスによって,タゾバクタム/ピペラシリン合剤,カルバペネム,キノロンといった広域抗菌薬の使用量が20%以上減少しました。また,緑膿菌の感受性率が改善された施設が,7施設中3施設あり,地域連携による効果と考えられました。このように圏域の医療機関が一丸となって感染対策のレベルアップを図っています。3)南予CNICネットワーク 現在,愛媛県には感染管理認定看護師が26名います。東予エリア8名,中予エリア13名,南予エリアは4年前には0でしたが,一気に5名になりました。 そこで,私たちは,南予管内の医療機関や福祉施設で院内感染対策上困っていることなどに対する相談的役割を担っていきたいと思い,平成25年8月に感染管理認定看護師によるネットワークを立ち上げました。名称は,南予CNICネットワークです。CNICとは,感染管理認定看護師(Certied Nurse Infection Control)を意味します。 感染管理認定看護師は,宇和島地域に3名,八幡浜地域に2名おり,地域・ブロックごとに分担しています。すなわち,宇和島地域の宇和島,鬼北・松野ブロックは市立宇和島病院とジェイコー宇和島病院の感

元のページ  ../index.html#107

このブックを見る