南予医学雑誌 第15巻
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南予医誌 Vol.15 No. 1 2014-98-工肛門造設術を施行し,術後17日目に退院した。 術後経過は良好で,定期的にストーマ外来を受診していた。ストーマ外来初診時は,装具交換などのセルフケアは妻と一緒に問題なく行えていた。1ヶ月後の再院時にはストーマ旁ヘルニアを発症していたが,入院時に決定した装具で便漏れはなく,本人の使用感も好感触であったため引き続き使用した(図1,図2)。 ストーマ造設1年後に放射線治療,両側腎瘻造設術を施行した。その後は在宅酸素療法を行いながら訪問看護が介入していた。 ストーマ外来の介入:原疾患の根治術が出来ず,姑息的な手術であったため,腹部膨満や腹部緊満が発生するリスクは予測できた。また,退院後,腹壁に変化が生じることも想定の範囲内であったため,腹壁の変化を予測して柔らかい平面面板で対応していたのが功を奏した。2年後,昇天されたが装具は変更せずに対応することができた。 症例2 患 者:30歳代,男性 病 名:イレウス 経 過:コフィン‐ローリー症候群によるてんかん,中枢性無呼吸のため4年前に喉頭気管分離術が行われ,2年前から脊柱側弯症の悪化(日常生活自立度C2)を認めていた。  201X年,イレウスを繰り返したため,横行結腸人工肛門造設術を施行した。  手術直後からストーマ外来の介入が行われた。 ストーマ外来の介入: 入院中:術後は,腸管拡張が強く,巨大ストーマであったため,平面面板の単品系(図1) 症例1 ストーマ外来にて撮影(座位)正面からみたストーマ:ストーマ旁ヘルニアのため腹部が突出しストーマサイズが大きくなっている状態     

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