南予医学雑誌 第14巻
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南予医誌 Vol.14 No. 1 2013-86- 私が市立宇和島病院の医事課に設けられている地域連携室・医療福祉相談支援センター(以下,地域連携室)に配属になったのは,2009年9月新病院グランドオープンの時でした。がん診療連携拠点病院としてがん相談の専任看護師配置が必要となり,午前中は総合案内・午後は地域連携室内で患者相談窓口としての仕事が始まりました。当初は地域連携室で求められる仕事が何なのかよくわからず,とまどったのを覚えています。今でも時々「地域連携室はどこにあるのですか?」と聞かれることがあり,どんな仕事をしているのか解りにくい部署と思いますので,紹介したいと思います。 現在,前方連携(他院から当院への紹介患者登録・予約調整など)担当に事務員1名,後方連携(当院から他院等への紹介・退院調整や在宅支援など)・相談担当に社会福祉士3名と臨床心理士・看護師・地域連携係長各1名の合計7名で助け合いながら実務にあたっています。外科やICUなど急性期入院医療に長く関わってきた私にとって, 地域連携室・医療福祉相談支援センターの役割 毛 利 貴 子 市立宇和島病院 地域連携室外来での相談支援は未知の世界でしたが,経験豊富なスタッフに支えられ,受診科相談から深刻な治療の悩みやクレームまで多様な相談に対応してきました。 私は2年目から本格的に退院支援に関わるようになり2年がたちましたが,地域連携室に必要な知識と求められる役割の多さに驚いています。部門別運用マニュアルでは(表1)の通りの業務内容となっており,「地域の医療機関などと連携し,受診や検査の予約をとり,返事を返す」,「転院調整をはじめとした様々な医療福祉相談にのる」ところと言えます。また,高次脳機能障害やHIV,虐待,がん対策,メンタルヘルス,認知症など県や市の対策会議にも出席し,地域の相談支援窓口としての役割も果たしています。院内外の医療・福祉担当者からの相談も多く,相談数は毎年増加しています。(図1) 2000年に成立した介護保険法により,入院時からの在宅療養支援の必要性が高まり,2006年の改正医療法では病院管理者の退院支援責務が明記されました。また周囲5市町の高齢化率が34%と高く,平均在院日数が11日を切る当院では,退院支援困難事例の増加と地域連携パス等実施の必要性から,地域連携室業務の強化を図って頂いていま受稿日 平成25年4月12日受理日 平成25年4月12日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 地域連携室 毛利 貴子

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