南予医学雑誌 第14巻
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南予医誌 Vol.14 No. 1 2013-84- これから日本全国で高齢化,超高齢化の時代を迎える事になります。宇和島において現在高齢化率は31%ですが,20年後には40%を超えると思われます。団塊の世代の高齢化がピークとなる20年後には,亡くなられる方が今より50万~60万人増加し,まさに多死時代を迎える事になります。 高齢化が進むと医療機関への通院は困難となり,必ず外来患者は減っていきます。これから問題となってくるのは,「どこで死に場所を迎えるのか:看取りの問題」であります。 現在,80%の方が病院で死亡され,在宅での死亡は10%足らずです。しかし,50%以上の方は自宅で亡くなる事を希望されています。在宅での医療・看取りを希望されていても「家族への負担,急変した時の不安,在宅で診てくれる先生がいない」受稿日 平成25年5月16日受理日 平成25年5月16日連絡先 〒798-0033 愛媛県宇和島市鶴島町6-27 友松外科胃腸科 友松  孝などの理由により在宅医療が進んでいきません。 今年1月に愛媛県在宅医療地域リーダー研修会があり,多くの間題が指摘されました。~ドクター側の問題点として~ 午後から在宅へと言っても,その間外来患者を待たせることは出来ない。 在宅支援診療所で求められているような24時間の対応は困難である。 終末期医療まで考えると責任がもてない,気が重い。 在宅医療に対して関心がない,意欲が湧かない。など~訪問看護ステーション側として~ マンパワーの不足,24時間対応の困難さ など~患者側として~ 介護力不足,在宅医療・看取りに対する理解力不足 などが挙げられました。 色々な問題があるにしろ,これから開業医が中心となって在宅医療を進めていかなければなりません。松山では特化型の在宅支援診療所が多くのスタッフと患者を抱え活動しており,開業医が入っていく余地は 宇和島医師会の在宅医療への取り組み 友 松   孝 宇和島医師会長   なんよだより

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