南予医学雑誌 第14巻
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中川、他:細胞診の現状南予医誌 Vol.14 No. 1 2013-79-(表1) LSILの判定基準文献1)より引用①細胞は孤立性またはシート状にみられる②細胞学的変化は通常「成熟した」あるいは表層型細胞質をもつ細胞に限定される③ 細胞全体のサイズは大きく,豊富なよく「成熟した」輪郭のはっきりした細胞質をもつ④正常中層核の面積の3倍以上の核腫大があり,N/C比はわずかに増加している⑤ 核のサイズ,数,形など種々の程度の変化とともに核クロマチンの濃染の差異がみられる⑥二核または多核がよくみられる⑦ クロマチンはしばしば均一に存在するが,粗顆粒状,あるいはスマッジ状(泥状)で厚く染色される⑧核小体は一般に存在せず,あっても明瞭ではない⑨核縁はしばしば不規則だが平滑のこともある⑩細胞質縁は明瞭⑪ 鋭敏な境界を有する淡明な核周囲領域と濃染された細胞質辺縁からなる“核周囲空洞形成(perinuclear cavitation)”いわゆるkoilocytosisは特徴的所見だが,LSILの診断の必須条件ではない.また,細胞質は厚くオレンジ好性で角質化していることがある⑫ 核周囲空洞形成あるいは濃いオレンジ好染性細胞に核異常を有する.核異常を伴わない細胞質核周囲明庭はLSILと判断するには満たない(図1)核周囲明庭(空洞形成)、核の腫大、濃染、不整などの異型を伴う。LSILとするか、HSIL とするか迷った症例で、組織生検結果はCIN2であった

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