南予医学雑誌 第14巻
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南予医誌 Vol.14 No. 1 2013-76-皮質の肥厚 ,骨癒合遅延 ,骨折に先行する前駆症状(大腿部痛)などがある3)。 非定型骨折発症例に対しては,まずBP製剤など骨吸収抑制薬を中止し,必要ならば内固定術を施行する。近年,骨形成促進薬であるテリパラチドで遷延治癒や他部位の骨折のリスクを減少できたとの報告4)があり,使用が考慮される。 非定型骨折は稀な事象であり,すでに骨粗鬆症治療薬として確立されたBP製剤の有用性を否定しうるものではない。レントゲンや骨代謝マーカーでのフォローを定期的に行い,非定型骨折の前駆症状を見落とさないことが重要である。参考文献1)  骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2011年版2)  Odvina CV, Zerwekh JE, Rao DS, et al.:Severely suppressed bone turnover: a potential complication of alendronate therapy. J Clin Endocrinol Metab 2005; 90(3): 1294-1301.3)  日本整形外科学会骨粗鬆症調査委員会:非定型大腿骨骨折例調査結果.日整会誌 2011; 85: 879-884.4)  Sloan AV, Martin JR, Li S, et al.:Para-thyroid hormone and bisphosphonate have opposite effects on stress frac-ture repair. Bone 2010; 47(2): 235-240.

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