南予医学雑誌 第14巻
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南予医誌 Vol.14 No. 1 2013-48-介入することで良好に経過している症例を経験したので報告する。 【症 例】68歳女性  【主 訴】なし 【既往歴】48歳IgA腎症 【家族歴】姉, 弟に脂質異常症(高脂血症)あり 【現病歴】IgA腎症の診断で, 当院泌尿器科に通院中であった。著明な脂質異常症(高脂血症)を認め, 内服治療が開始されたが改善なく, 精査目的で2012年6月に当院入院となる。 【生活歴】喫煙:なし, 飲酒:なし  【身体所見】身長150.2㎝, 体重55.4㎏, BMI 24.6㎏/㎡, 体温35.6 ℃, 血圧134 /87 ㎜Hg, 脈拍87 /分整 【血液生化学・尿検査所見】TGが3454 ㎎/dLと高値, LDLコレステロールは低値であった。アポリポ蛋白CⅡの欠損は認めなかった。LPLが低値であり, その原因としてアラニン221 番の欠損を認めた。以上の検査よりLPL欠損症と診断された。また, BUN及びCrより腎機能は慢性腎不全(以下, CKD)ステージ4であった(表1)。また症例患者の(表1) 入院時血液生化学・尿検査所見検査所見【尿】【生化学】【生化学】尿比重1,019T-bil0.6mg/dLアポAⅠ63.0mg/dL蛋白(2+)D-bil0.4mg/dLアポAⅡ12.9mg/dLブドウ糖(-)AST61U/LアポB98.0mg/dLケトン体(-)ALT63U/LアポCⅡ14.2mg/dL潜血(-)TP6.1mg/dLアポCⅢ25.8mg/dL24hCCr25.8ml/minAlb3.7mg/dLアポE10.4mg/dLTG3454mg/dL【血算】T-C354mg/dL【ヘパリン負荷試験】WBC2800/µLHDL-C32mg/dL負荷前負荷15分後Neut61%LDL-C測定不能LPL(ng/mL)<4<4Lymph30%BS85mg/dLMono5%BUN58mg/dL【遺伝子検査】Eos4%Cr2.03mg/dLAla221del変異ホモ接合体Baso0%Na135mEq/LRBC3.14×106/µLK4.7mEq/L【画像検査】Hb9.9g/dLCl103mEq/L胸部レントゲン 異常なしHt28.9%CRP0.01mg/dL心電図 異常なしPIt14.6×104/µL

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