南予医学雑誌 第14巻
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元木、他:小児化膿性仙腸関節炎南予医誌 Vol.14 No. 1 2013-33-(表1) 症例1 検査所見(発症20日目)発赤なし,肺音:清,心音:純・整,腹部:平坦・軟・圧痛なし,腸蠕動音:正常,両足背動脈触知可,両大腿腫脹なし,右Patrick test陽性,スカルパ三角圧痛あり 入院時検査所見:(表1) 入院後経過:仙腸関節も含め骨盤部MRIを再検したところ,右仙腸関節周囲にT1強調像で低信号域,T2強調像で軽度の高信号域,脂肪抑制像で著明な高信号域を認め,また腸骨筋,梨状筋の高信号が見られたため,血液検査所見と合わせて右化膿性仙腸関節炎と診断された(図2A-2C)。FMOXの投与を再開されたが,あまり症状は改善せず発症24日目から抗生剤をPAPM/BPに変更した。この時点でのCTにおいて右仙腸関節面に軽度の侵食像を認め,関節炎に矛盾しない所見であった(図2D)。入院時の血液および咽頭培養からはやはり有意な原因菌は特定されなかった。PAPM/BPの2週間投与にて,症状は改善したため抗生剤をCDTR/PIの内服に変更し発症38日目に退院した。その後CDTR/PIを2カ月間内服したが,発症後3カ月のMRIにおいて右仙腸関節とその周囲の高信号域はほぼ消失し(図3),学校生活にも支障をきたすことがなくなったため終診となった。【症例2】 症 例:9歳 男児表1症例1検査所見(発症20日目)WBC 11600 /μlNeu 75 %Lym 16 %Mo 8 %RBC 449 万/μlHb 11.2 g/dlHt 34.9 %PLT 29.9 万/μlT-Bil 0.7 mg/dlD-Bil 0.3 mg/dlγGTP 22 IU/lALP 217 IU/lAST 17 IU/lALT 13 IU/lLDH 110 IU/lChE 266 IU/lT-Cho 136 mg/dlTP 7.6 g/dlBUN 10.0 mg/dlCr 0.56 mg/dlNa 134 mEq/lK 4.2 mEq/lCl 100 mEq/lCa 9.0 mg/dlCRP 9.63 mg/dlSAA 967.6 Ug/mlsIL2R 444 U/ml血沈1時間55 mm2時間73 mmプロカルシトニン(+)PT 75 %PT(INR) 1.20APTT 36.1 sec抗核抗体<40 倍リウマチ因子15 IU/mlMMP-3 24.8 ng/ml抗CCP抗体2.1 U/mlマイコプラズマ抗体40 倍ASK 1280 倍尿pH 6.0尿比重1.029尿蛋白(1+)尿潜血(‐)白血球反応(‐)アセトン(+)血液培養、および咽頭、尿、便の各種培養は陰性µℓdℓµℓµℓdℓmℓmℓdℓdℓℓℓℓℓℓℓdℓdℓdℓdℓℓℓℓdℓmℓmℓmℓ

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