南予医学雑誌 第14巻
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南予医誌 Vol.14 No. 1 2013-18-(図2) グローブ法:腹腔鏡は10㎜軟性鏡を使用。鉗子は従来使用しているストレート鉗          子を2本使用。プラス1ポートとして、ドレーン留置予定部位の右          下腹部に5㎜ポートを計画的に追加する。剥離授動操作は内側アプローチ変法を採用。結腸癌症例に対してはsurgical trunkのリンパ節郭清を伴うD3結腸切除とし(図3),血管処理はすべて体腔内で行い,再建は創外で機能的端端吻合にて行った。結  果 術式は,憩室症に対し右結腸切除術2例,右半結腸切除術1例,横行結腸多発早期癌+回腸異所性膵に対し右半結腸切除術+小腸部分切除1例,上行結腸癌に対し右半結腸切除術1例,盲腸癌に対し回盲部切除術1例。男女比2:4,平均年齢:66.4(35-83)歳,平均BMI:21.4(16.1-25.7),平均手術時間:205.8(151-281)分,平均出血量:50.1(0-208)ml,結腸癌における平均郭清リンパ節個数:21.7個,平均術後在院日数:11.2(7-16)日,合併症:右半結腸切除術後麻痺性イレウスによる食事開始遅延を1例に認めた。その他の重篤な合併症なく開腹移行も無かった(表1)。整容性に関してはすべての症例で満足されていたが,臍部創痛の訴えがやや多く,創が小さい割には術後消炎鎮痛薬の使用が多い印象であった。術後1ヶ月後の外来通院時における創状態は極めて良好であった(図4)。考  察 1990年,日本で最初の腹腔鏡下胆嚢摘出術が施行されて以来20年あまり,内視鏡外科手術は順調に適応を拡大し,現在,消化器系16手技,呼吸器系2手技,婦人科系6手技,泌尿器科系4手技が保険適応となっている。腹腔鏡下大腸切除術は従来の開腹手術と比較し遜色のないレベルへ達し

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