南予医学雑誌 第14巻
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今井、他:2孔式腹腔鏡下右側結腸切除術南予医誌 Vol.14 No. 1 2013-17-症性腸疾患などの消化管疾患にもRPSやTANKOを導入してきた。大腸癌などの悪性疾患への導入は,手技の安全性や根治性の担保と低侵襲性の両立が求められるため,慎重に検討を重ね,TANKOにポートを計画的に追加したRPSを考案した。2011年より早期大腸癌を含む右側結腸疾患患者に対しTANKO+1ポートで行うRPS:2孔式腹腔鏡下右側結腸切除術を導入し,比較的良好な短期成績を得たので紹介する。対象と方法 当科では2011年5月より右側結腸中心の大腸良性疾患に対し2孔式腹腔鏡下右側結腸切除術を導入し,その後cStage 0/I大腸癌に対しても適応を拡大し行っている。導入後1年間で結腸憩室症3例,大腸早期癌3例を経験した。導入6例の手術短期成績(手術時間,出血量,郭清リンパ節個数,術後在院日数,合併症)について検討を行った。 手術手技:硬膜外麻酔併用全身麻酔下に施行した。手術体位は水平開脚位とし,適宜,頭低位・左側傾斜を併用。鉗子操作による十分なカウンタートラクションをかけることは期待できず,手術台の傾斜による重力を利用したトラクションを併用し手術を進めるため,十分なベッドローテーションを併用する。臍部のアクセスデバイスは簡便で安価なグローブ法を採用し,臍部3~4㎝縦切開創にLAP-protectorを装着し,創保護リングに手術用手袋を装着した後,各指先より5㎜ポート:2本,10㎜ポート:1本挿入し,気腹を開始しワーキングスペースを確保した。腹腔鏡は10㎜軟性鏡を使用,鉗子は従来使用しているストレート鉗子を2本使用。プラス1ポートとして,ドレーン留置予定部位の右下腹部に5㎜ポートを計画的に追加し,RPS(TANKO+1)にて手術を施行した(図1)(図2)。術者は基本的には患者の脚間より操作を行い,(図1) グローブ法:臍部3〜4㎝縦切開創にLAP-protector miniを装着し、創保護リング          に手術用手袋を装着した後、各指先より5㎜ポート:2本、10㎜ポー          ト:1本挿入し、気腹を開始しワーキングスペースを確保する。

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