南予医学雑誌 第14巻
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南予医誌 Vol.14 No. 1 2013-9- 高齢者の自宅での内服自己管理に関する実態調査 酒 井 拓 二,栗 田 真 帆,山 本 宏 美 市立宇和島病院 看護部 4階西病棟受稿日 平成25年3月29日受理日 平成25年9月18日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 看護部 酒井 拓二Ⅰ.はじめに 近年,高齢者世帯,高齢者単独世帯が増加している。厚生労働省による平成20年国民生活基礎調査で,65歳以上(以下,高齢とする)の者のみの世帯は全世帯の46.7%を占めている。高齢者は複数の疾患を持ち,複数の薬剤を長期的に服用していることが少なくない。上記の状況をふまえると,内服の管理を自身の責任で行っていかなければならないケースが増えてきているといえる。 市立宇和島病院4階西病棟(以下,当病棟とする)は,内科・外科・整形外科の混合病棟で,高齢の入院患者が多い。入院時,要   旨 近年,高齢者世帯,高齢者単独世帯が増加しており,慢性疾患を抱える高齢者が,内服薬を自己管理するケースが増えてきている。しかし当病棟に入院する患者の持参薬を見てみると残数が合わないことが多くあり,それを見た看護師が飲み忘れをおそれ,看護師が管理することが多かった。 今回,内服管理についての研究で課題に挙げられていた高齢者の入院前の内服自己管理状況を把握するために,独自の質問用紙を用いて面接法での聞き取り実態調査を行った。調査内容より,高齢者の内服管理の特徴は,薬袋のまま管理している人が多いこと,必ずしも認知機能低下者に飲み忘れが多いという傾向はないことなどがわかった。(南予医誌 2013;14:9-15.)Key Words:高齢者,内服薬,自己管理,聞き取り調査   トピックス

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