南予医学雑誌 第14巻
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南予医誌 Vol.14 No. 1 2013-104-能を有するデータを収得できることで3D-Angio画像が表示可能となった。今回の症例である、頭蓋頚椎移行部硬膜動静脈瘻(Craniocervical Junction Dural Arteriovenous Fistula = CCJ d-AVF)において最も重要なのは、動静脈瘻の位置を正確に得ることであり、その位置情報を簡潔かつ明瞭に表示する手段は3Dによる画像データである。血管造影部門では、血管造影を実施した後に3D-Angio画像を作成し、医師に画像を呈示した。この3D-Angio画像と各モダリティーから提示された3D画像と如何に異なるのか検討する。また、描出した病変画像と実際の病変はどれほど合致しているのか、提示した画像は手術の場でどの様に運用されているのか知得・確認するため手術に立ち会ったので、その実情を報告する。8.椎骨動脈解離に対するT1-SPACE法と3D-true FISP法の有用性 (中四国学会・高村好実) 椎骨動脈解離のMRI診断は、TOF-MRA法で解離腔の細くなった血管を血流として描出し、BPAS法で本来あるべき血管の太さを描出する、「MRA-BPAS mismatch」の観察が主に行われている。しかし、虚血発症例においては、①動脈硬化との鑑別の難しさ、②解離の進行度を示す経過観察の難しさ、③解離性動脈瘤の破裂の危険度を確認する難しさ、の3点が診断の問題としてあり、それらを解決しうる、解離した血管腔の血腫を描出する画像は一部に報告があるのみで、また、血管内の動脈瘤を直接観察する画像についての報告はされていない。今回当院では、発症初期に診断できた椎骨動脈解離症例について、T1-SPACE法と3D-true FISP法の撮像法を用いて、解離部位の血腫と動脈瘤の状態を発症から治癒まで経時的な画像として得ることができた。それらをもとに、椎骨動脈解離の診断時の問題と、本症例で得られた画像がもたらす診断能の向上、さらにその臨床評価についての報告をする。食養部門9.新調理導入による効果の検討  ~衛生管理に配慮した朝食メニューの充実と患者満足度の向上を目指して~ (全国学会・大杉弘子) 当院は愛媛県西南地域にある救命救急センターを併設する診療科28科、病床数435床の総合病院である。1日約1000食の患者食を調理している。患者満足度の高い食事で喫食率向上を目指し、栄養管理に反映している。朝食メニューは患者アンケートから「品数が少ない、野菜量が少ない」などの意見があり、メニューの増加を検討し、より患者満足度の高い食事提供を目的とした。10.病棟専任管理栄養士による栄養管理の充実と患者満足度の効果に関する検討 (全国学会・山崎 幸) 管理栄養士が病棟専任で常駐することで、栄養管理の充実と患者満足度向上を目的とする。病棟カンファレンスで治療方針の共通認識を持ち、主治医指示の栄養量を給食提供量に反映させ、チーム医療に参画し、栄養管理の充実を図る。また医師・看護師の業務軽減を果たす。

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