南予医学雑誌 第13巻 第1号
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南予医誌 Vol.13 No. 1 2012-68-②橋浦診療所 本日の診療所の患者は総勢19名であった。多くの患者さんから,“お医者さんからこんな説明を受けたのは初めてです。本当に安心できました”との言葉をいただきました。また,診療所の看護師さんたちからは,“患者さんへの説明を私たちも一緒に聞いていました。信頼の置けるやさしい先生で本当にありがとうございました”と過分の御礼をいただきました。最後に診療所の看護師さん達と写真をとり,またそれぞれから今回の震災の経験について話を伺う機会があった。当診療所の医師(只野光一先生)は6㎞ほど離れた追分温泉にまで避難したが,脳梗塞を発症現在療養中である。保健師さん2名,看護師さん3名はほとんどの方が震災による大きな災害を受けていた。中には家が流され親戚の家からここに通ってこられている方もおられる。③午後 「にっこりサンパーク」にて二人の保健師さん(図17)と自衛隊中隊長に離任挨拶。18時からのミーティング,次の担当病院である市立八幡浜総合病院との打ち合わせまでに多くの時間があるため,(図17) 二人の保健師さん(左の2名)と討議する「チーム宇和島」メンバー石巻市内の現状の視察に向かった。北上地区は自衛隊による整備が進んだためもあるが(一部崩壊した建物の残っているものはあるが),どちらかと言えば全体的には何も残っていない状況である。これに対し石巻地区は異臭(腐った臭い)が強く,壊れた家,建物の中に車,船が突っ込んでいる状態が多く残っており(図18)平地に戻すには相当時間がかかる感じである。市立石巻病院は遠くからでは建物が残っているのみであった(図19)。何層にも重ねられた車の残骸,海岸近くの石巻の町の復興は長時間を要すると思われる。自衛隊あるいは大型トラックがほこりを舞い上げながら行き来をくりかえしている。町の色は全体が「ほこり色(図18) 石巻市内の災害現場風景(図19) 災害現場の中に立つ石巻市立病院石巻市街石巻市立病院

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