南予医学雑誌 第13巻 第1号
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濱田:なんよだより南予医誌 Vol.13 No. 1 2012-65-状薬での十分な降圧は無理と判断,アダラートCR(20㎎)を追加処方した。重症高血圧であり,明日橋浦診療所を受診するよう説明した。“先生,私も受診したいのですが,明日は議会の出席のため診療所へはいけません。”とのこと。本日の活動報告を行うために,「にっこりサンパーク」に入ったとき,先の患者に遭遇。彼が当施設の責任者であることが判明した。先ほど行った処方は何時患者の手元に届くのかを保健師に尋ねたところ,早くて明日の夕方とのことであった。清家君に,“今持ち合わせの降圧剤の中にカルシウム拮抗薬はありますか?”とたずねたところ,“アダラートCR(40㎎)があります,とのこと。患者さんに,この薬(CR 40㎎)を今直ぐに内服,明日の朝も他の薬剤と一緒に内服して下さいと説明した。降圧が得られ患者さんの表情は一気に明るくなった。ここでは多くの人々が日夜詰めて頑張っている。③ 18時からのミーティング(石巻赤十字病院) 特記すべき事項なし。5月23日㈪(第5日目)①テレビ愛媛の取材 今日はテレビ愛媛が「チーム宇和島」の取材をするとのことで我々のクルーも少し緊張気味。診療所に向かう車の中で我々チームの窓口になっている原口君に,“君が昨晩食事をしているときテレビ愛媛の人が僕に少し話しを聞くと言っていたけど,どんなことを聞くと言っていましたか?”と私。 “ 簡単なことだと言っていました。例えば何日にこちらに到着し,いつから活動を始めたかとか……” “ あ,そう,わかりました(そんなしょうもないことを聞くかなー?)。”“ところで原口君,この診療所での取材については診療所の皆さんはじめ了解は取れているとききましたが,テレビ局の取材は患者のプライバシーに深く関与しますが,この点はどうなっているの?” “ その点については(患者の了解),テレビクルーが患者に説明し,了解を取るように伝えてあります。” “ 原口君,素晴らしい。大したもんやなー。ロジとしてプロ中のプロやなー。” (原口君終始ニコニコ)。 橋浦診療所につくとテレビ愛媛の二人は到着済。我々が車を降りるところからビデオをまわしたい,との希望で取材開始。②橋浦診療所 診療所での当院メンバーの仕事振りがテレビカメラに写されていく。 29名の患者を診察。嬉しいことに,今日は避難所あるいは自宅で診察し気になった4名の患者さんも受診してくれていた。 S.S.82歳女性:自宅を避難所として開放していた女性。多数の降圧薬を内服中。聴診所見も正常ではなかったため,診療所の受診を勧めた。当日受診時の血圧には異常はなく心電図にも異常は認められなかった。 E.M.65歳男性:上記患者と同じ避難所にいた高血圧患者。重症高血圧に特有の聴診所見を有していたため当診療所受診を勧めた。当院受診時の血圧も高く,心電図ではV5,V6の陰性T波を認め重症高血圧に一致する所見であった。一剤降圧薬を追加,出来れば塩分の減少を説明した。“同級生が脳出血で石巻日赤に入院中。私もしっかり薬をのんで頑張ります。” A.Y.74歳女性:実兄宅にいる患者。数年前に脳出血を起こし降圧の状態もはっきりしないとのこと。自宅での診察時血圧はたいしたこ

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