南予医学雑誌 第13巻 第1号
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南予医誌 Vol.13 No. 1 2012-64-5月21日㈯(第3日目)①橋浦診療所:総勢14名の診察。②午後「小室地区」8名の往診。 「高齢者福祉支援センターはまぎく」で診察。 自宅で診察を待つ患者さんに看護師さんが素早く血糖を測定(図11)。重篤な糖尿病患者にも適切な処置を行うことができた。帰り道森田先生がどうしても写真に収めたいといっていた写真撮影(図12)。③18時:全体ミーティングに参加。 (図11) 自宅で診察を受ける患者さんの血糖を測定する久米、兵頭両看護師(図12) 破壊された消防自動車を撮影する森田医師(図13) 「にっこりサンパーク」に隣接する避難所内風景5月22日㈰(第4日目)① 午前中,橋浦診療所。診察は総勢14名であった。震災後でも土,日は少ないのか?②午後は避難所の訪問である。 まず,「小室」地区を訪問した。 同地区で我々が処方した薬剤配布が適切に行われていないことが判明した。特に弁置換を2度行った女性患者に重要な薬剤が届いていないことが判明した。危険な状態に陥る可能性もあることから,我々の手で直接患者さんに届けることを決定。避難所でおおよその住所を確認。原口君と清家君が患者さん宅を訪問。無事薬剤を手渡すことができた。 次の訪問避難所は「にっこりサンパーク」に隣接する避難所(北上中学内仮設住宅)(約160名)(図13)である。3名の診察の後,表情の強張った男性が診察場に訪れた。 59歳男性:表情は非常に強張っているが,身なり風体は紳士然とした男性が,“降圧剤が明日で切れるので処方をお願いします”と受診した。降圧剤はディオバン(80㎎)とラシックス(20㎎)を内服中,血圧値は192/120,心拍数は85/分,聴診所見はII音が有響性(大動脈弁閉鎖不全症が合併の可能性大)であった。現

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