南予医学雑誌 第13巻 第1号
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南予医誌 Vol.13 No. 1 2012-59-I.はじめに 平成23年3月11日14時46分,M9.0の太平洋三陸沖を震源とした大地震が発生した(東日本大震災)。大津波による沿岸地域の壊滅的破壊と原発事故に伴う被曝汚染による災害は復旧の見通しもたたない状況が今なお続いている。 市立宇和島病院は南予地域の災害拠点病院であり震災直後から救護活動について定期的な会議がもたれてきた。そうこうしているうちに,愛媛県は県として東北3県のある特定地域を担当することが決まった。当院でも派遣チームを緊急に決定する必要に迫られた。私は今回の災害に対し一度は救護活動に携わりたいと考えていたので私の派遣は自分の申し入れにより決定された。また,救護活動の派遣に了解を示していた医師の中で森田医師の参加の希望が強く,こうして救護班の医師2名が決定した。 今回の救護班は医師2名(濱田希臣,森田洋平),看護師2名(久米理恵,兵頭睦美), 東日本大震災 -市立宇和島病院救護班1週間の活動報告- 濱 田 希 臣 市立宇和島病院 内科薬剤師1名(清家仁),ロジスティックス1名(原口剛),合わせて6名(「チーム宇和島」)である。我々が入った地域の惨状はテレビなどを通じて得ていた状況と同じであり予測通りであった。私は担当地域にはいり,地域の生のにおい,生の風景,そして生活をしている人々の生の現状を知り少しでもお手伝いが出来る喜びを感じることが出来た。今回の報告は当院の皆さんにも我々「チーム宇和島」と同じ現場感覚を少しでも味わっていただきたく著者の備忘録に沿って日毎の活動を記載させて頂いた。II.救護活動 5月19日㈭(第1日目)6:00 総務の岩村さん,椙山さん運転の車に分乗し,静かに市立宇和島病院を出発。松山空港へ。松山空港で朝食(市川管理者の奢りです)。9:20 ANA1632便松山(9:20)→大阪/伊丹,ANA1465便伊丹(11:45)→仙台 13:00 仙台着。レンタカーで石巻市へ。16:20 石巻赤十字病院着,チームエントリー。17:00 前チーム野村病院と合流。資機材引き継ぐ。(図1)は宮城県の災害医療の組織図を示受稿日 平成24年4月2日受理日 平成24年4月2日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 内科 濱田 希臣

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