南予医学雑誌 第13巻 第1号
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南予医誌 Vol.13 No. 1 2012-46-図2.フットケア5回目 察を継続することや,乾燥させないよう軟膏は,こまめに塗布するよう指導した。皮膚の状態がほぼ改善されていたので,スタッフで情報を共有し,次回のフットケアは3~4ヵ月後に計画した。 2011年10月の時点で,血漿血糖81㎎ / ㎗,HbA1c 6.7%にて経過している。血漿血糖とHbA1cの推移を(図3)に示す。 以上,2010年12月から患者と共に足を観察しながらフットケアを実施し,患者の言動や反応を見ながら対応し,その都度適切と思われる処置・指導を続けた。その結果,フットケア実施5回で皮膚潰瘍の著明な改善がみられた。考 察 糖尿病足病変ハイリスク要因を有する患者に対し,医師の指示に基づき専任の看護師が重点的に指導・管理することが評価されるようになり,2009年6月から当院内科外来でフットケアを開始した。いという意識付けに繋がったのではないかと評価できた。フットケア施行中のコミュニケーションから得た情報を担当医に伝え,軟膏塗布を継続した。 2011年4月,4回目のフットケア実施時には,右足踵部と左足趾に乾燥・皮膚剥離は残っていたが,改善傾向にあった。「だいぶきれいになった。今は薬をつけてない。」と発言があった。足の状態は改善傾向ではあるが,乾燥・皮膚剥離が続いているので軟膏塗布は継続するよう指導した。また,コミュニケーションから「宴会でも酒を飲まない代わりに元をとろうと食べ過ぎる。」と日常生活の情報が得られ,食事指導に繋がった。 2011年8月,5回目のフットケア実施時には,右足踵部に乾燥・皮膚剥離が軽度残っていたが,著明に改善されていた(図2)。「めんどくさくて薬は塗ったり塗らなかったりする。」と発言があった。フットケアで患者に関わる時間を利用し,足の観(図2)フットケア5回目

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