南予医学雑誌 第13巻 第1号
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南予医誌 Vol.13 No. 1 2012-44-はじめに 2008年度診療報酬の改定にて,糖尿病の重症化予防に関わる評価として「糖尿病合併症管理料」170点(月1回)が新設され,糖尿病足病変ハイリスク要因を有する患者に対し,専任の医師又は医師の指示に基づき専任の看護師が,重点的な指導・管理をした場合,診療報酬として算定されるようになった。これに伴い当院内科外来では,フットケア研修を受講した専任看護師を配置して2009年6月にフットケアを開始した。今回,フットケアにより広範囲の皮膚潰瘍が劇的に改善した糖尿病足病変例を経験したので紹介する。 なお,対象者に対し発表の目的,方法, 内科外来におけるフットケアで 皮膚潰瘍の改善がみられた事例 森 明 美1),川 口 ミサト1),上 崎 禎 子1), 三 浦 悦 子1),田 中 輝 美1),江 口 透2), 宮 内 省 蔵2) 1)市立宇和島病院 看護部 2)市立宇和島病院 内科(南予医誌 2012; 13:44-48.) 目でみる症例受稿日 平成24年2月29日受理日 平成24年7月17日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 看護部 森 明美趣旨を説明し,同意は自由意志であること,協力の有無によって医療サービスに差が生じないこと,プライバシーを保護することを伝え同意を得た。症 例 患 者:43歳,女性 病 名:糖尿病 身 長:148㎝ 体 重:56.5㎏ BMI:26㎏/㎡ HbA1c:8.0% 職 業:ヘルパー 既往歴:42歳妊娠糖尿病 家族歴:特記事項なし 家族構成:子供3人との4人暮らし経 過 2009年6月,血漿血糖221㎎/㎗,HbA1c 9.5%の糖尿病合併妊娠として,当院内科を紹介初診した。外来にてインスリン療法

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