南予医学雑誌 第13巻 第1号
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川副、他:ピンチオフシンドロームの2症例南予医誌 Vol.13 No. 1 2012-23-症 例 2 患者:55歳,女性 主訴:ポート留置部の腫脹 家族歴:特記事項なし 既往歴:S状結腸切除(H21.11) 現病歴:平成21年11月にS状結腸癌に対して手術を施行。手術所見はS,2型,28×25㎜,SI,N2,H2,P0,M0,StageⅣであった。同月に左鎖骨下静脈経由でCVポート(MRIポート,グローションカテーテルタイプ,BARD社)を造設しmFOLFOX6療法を3クール施行後,平成22年2月に拡大肝左葉切除術,肝部分切除術を行った。その後はTS-1の内服及び残肝転移に対してラジオ波焼灼術を計3回施行した。平成23年5月の外来受診時にポートからヘパリンフラッシュを行った際に左肩に疼痛が出現したため胸部CTを撮影したところ,カテーテルが断裂し先端部分が左肺動脈内にあることが判明し,摘出目的に入院した。 入院時現症:身長153.6㎝,体重54.1㎏,血圧120/85㎜Hg,脈拍66/分・整,呼吸数16回/分,体温36.3度,心音・呼吸音に異常を認めない,腹部は平坦,軟,surgi-cal scar (+),下腿浮腫なし 経過:透視像で先端が左肺動脈に位置するポートカテーテル断端を認めた(図4A)。右大腿静脈経由で6Frロングシースを挿入した。5Fr JR4バックアップ下で0.035インチ,200㎝のガイドワイヤー(セント・(図3)The retrived port (devided segment of catheter with the residual fragment)

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