南予医学雑誌 第17巻
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南予医誌 Vol.17 No. 1 2016-53-  診断にMRIが有用であった腹痛発症の腎腫瘍内出血の一例   症例報告受稿日 平成28年9月12日受理日 平成28年9月29日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1市立宇和島病院 研修医 日下部公資要   旨 63歳の男性が早朝に突然の右側腹部痛で目覚め,救急外来を受診した。精査にて多発性の腎嚢胞・腎腫瘤に加え胆道系酵素の上昇と胆石を認め,まず胆石発作が疼痛原因と疑われたが,追加で施行したMRIにて腎腫瘍内出血と診断され,準緊急手術に至った。腎腫瘍は無症状で発見されることがほとんどだが,まれに自然破裂にて発見される1)2)。本症例では,胆石発作疑いで施行されたMRCPにて偶発的に診断に至ったが,患者は喘息の既往と腎不全があり造影CTを行いにくい状態であったため,MRIが診断に有用であったと考えられた。  (南予医誌 2016;17:53-57.) 日下部 公 資1),竹 口   崇2),岩 村 卓 明3), 井 上 祐 馬3),福 井   聡3) 1)市立宇和島病院 研修医 2)市立宇和島病院 放射線診断科 3)市立宇和島病院 放射線科

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