南予医学雑誌 第14巻
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中川、他:細胞診の現状南予医誌 Vol.14 No. 1 2013-83-出が増加している。悪性としては腺癌細胞の出現が最も多いが,原発部位の特定は細胞像のみでは難しいことがある。また,良性である反応性中皮細胞と癌細胞との鑑別が困難な場合もある。そこで検体が充分量残っていればセルブロックを作製し,必要に応じて免疫染色を行い鑑別するようにしている。最後に 細胞診断における代表的な細胞像を提示した。報告様式は,クラス分類から臓器別の報告様式・判定区分に変わろうとしている。推定組織型の記載も求められており,よりいっそうの細胞診断能力の向上が求められている。日々の研鑽によって臨床の要望に答えられるよう努めたい。臨床事項は電子カルテ化されたので外来・病棟に閲覧しに行くことはなくなったが,提出医とは連絡を取り合い少しでもチーム医療の一員として貢献できればと思う。参考文献1) Solomon D, Nayar R編,平井康夫監訳:ベセスダシステム2001アトラス. シュプリンガー・ジャパン, 東京, 2007.2) 西国広編:基礎から学ぶ細胞診のすすめ方.近代出版,東京,2001.3) 太田秀一監,山本浩嗣,福成信博,亀山香織他編:頭頸部・口腔細胞診アトラス. 医療科学社, 東京, 2009.4) 土屋眞一監,北村隆司編:新版乳腺細胞診カラーアトラス. 医療科学社, 東京, 2007.5) 光谷俊幸監,畠山重春編著,岸本浩次,松井武寿:カラーアトラスリンパ節細胞診悪性リンパ腫を中心に. 医歯薬出版, 東京, 2005. Current status of Cytology at Uwajima City HospitalKenji NAKAGAWA, Mihoko SEIKE, Yasuhiro KAN,Mamoru NAKANISHI, Shoichi MATSUKAGEDepartment of Clinical LaboratoryUwajima City HospitalGoten-machi, Uwajima, Ehime 798-8510, JAPAN(Nan-yo Med J 2013;14:78 -83.)

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