南予医学雑誌 第14巻
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南予医誌 Vol.14 No. 1 2013-72-要する2)。今回我々はBP製剤の長期使用患者に発生した非定型骨盤骨折を経験したので若干の考察を加え報告する。症 例 症 例:70歳,女性 主 訴:腰痛,左殿部痛 既往歴:高血圧,不整脈,喘息,緑内障  家族歴:父 脳梗塞,母 脳梗塞,     姉 腎不全 嗜好歴:ビール 1杯/日 内服歴:アロプリノール,硫酸鉄,テルミサルタン,アムロジピン,ラベプラゾールナトリウム,センノシド,シベンゾリンコハク酸塩,ベクロメタゾン 現病歴:1995年より時々腰痛が出現し,第5腰椎分離症による腰痛と診断され湿布,鎮痛薬の処方にて治療されていた。2005年に特に誘因なく左殿部痛が出現したため当科外来を受診した。 経 過:受診時のレントゲン像で第2腰椎に圧迫骨折を認め(図1),同時に骨粗鬆症と診断し,アレンドロネートの内服治療を開始した。その後,徐々に左殿部痛は消失したが腰痛は残存した。その後,2007年に誘因なく,第12胸椎の圧迫骨折を受傷した。腰痛はあるものの杖歩行が可能であり自宅で生活していた。 2011年3月,定期受診時に腰痛に加え,左殿部痛が再燃した。レントゲンで明らかな骨折は確認できなかったが,左殿部痛が続くため精査目的にMRIを施行し左恥骨骨折を認めた(図2)。骨盤,骨盤内臓器に悪性疾患や感染を疑わせる所見は認められなかった。 2011年5月に左恥骨の痛みは軽快して(図1) 腰椎X線    第2腰椎に圧迫骨折を認める(図1)正面像側面像

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