南予医学雑誌 第14巻
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南予医誌 Vol.14 No. 1 2013-16- グローブ法による2孔式腹腔鏡下右側結腸切除術 今 井 良 典,永 岡 智 之,中 川 祐 輔,岡 田 倫 明, 山 内 達 雄,石 田 直 樹,中 村 太 郎,清 地 秀 典, 岡 田 憲 三,坂 尾 寿 彦,梶 原 伸 介 市立宇和島病院 外科受稿日 平成25年4月15日受理日 平成25年7月9日連絡先 〒798-8510 愛媛県宇和島市御殿町1-1 市立宇和島病院 外科 今井 良典はじめに 消化器疾患に対する内視鏡外科手術手技は日進月歩であり,特に近年は創をより小さく,より少なくすることを重視したReduced Port Surgery (以下,RPS)という 新しい手技・手法が提唱されている。RPSはポート数の削減や鉗子細径化などによるポート創の縮小により,術式の低侵襲化,創整容性の向上を図る試みとされ,近年急速に普及しつつある。その最終発展形が単孔式内視鏡外科手術(以下,TANKO)であり,臍からの単一創のみで手術を完了する極めて高度な手技である。近年,急速に広まっており,現在は胆嚢摘出術,虫垂切除術をはじめ,胃・大腸などの消化管疾患に対しても導入する施設が増加しつつある。 市立宇和島病院外科(以下,当科)では2009年より腹腔鏡下胆嚢摘出術にTANKOを導入し,手術手技の成熟・安定化をまって,順次,急性虫垂炎,小腸良性疾患,炎要   旨 単孔式腹腔鏡下手術は近年,低侵襲手技として結腸直腸手術へ導入されている。しかしこの手技は難易度が高く,従来の多孔式手術と比較しリンパ節郭清や手術の安全性担保において十分とは言い難い。より平易かつ安全な方法として,われわれは2孔式腹腔鏡下手術を右結腸切除術に導入した。新しい腹腔鏡下手技である2孔式腹腔鏡下右結腸切除術(DILrC)について紹介し,短期成績(手術時間,出血量,結腸癌における郭清リンパ節個数,術後在院日数,合併症の有無)について検討した。短期成績においてDILrCは安全に施行可能な手技である。 (南予医誌 2013;14:16-23.)Key Words:単孔式腹腔鏡下手術 2孔式腹腔鏡下右側結腸切除術 グローブ法

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